初めての部屋探し。物件を見学しに行くことを「内見(ないけん)」といいますが、その意味を知ってはいても、実際に何をチェックしたらいいのか、そして何を準備しておいたらいいのか分からない点もあると思います。
この記事では、内見時に確認すべきポイントの全ての項目を取り上げています。そして、それらの情報を持ち歩けるように「内見チェックリスト(PDFデータ)」を用意してあります。ダウンロード〜プリントアウトしておき、内見時にぜひご活用ください。
1.内見時のチェックポイント
内見するときに意識してほしいのは次の2点です。
- 部屋探しをする上で事前に決めておいた条件を満たしているかどうかを確認する
- 間取り図や写真などでは分からない部分を確認する
確認するときのポイントは、その物件での暮らしをできるだけリアルにイメージすることです。
自炊するときの動き(冷蔵庫の場所や収納容量)、入浴(シャワーの水圧、浴槽のサイズ、換気具合)、洗濯機置き場(洗濯機の置けるサイズ、洗濯物をどこに干すか)、家具のレイアウト(コンセントの位置)など、具体的にイメージしながらチェックすることによって見落としが少なくなります。
以下、自分の目でチェックするポイントを「室内」「建物」「立地」という3つのカテゴリに分類して紹介していきます。
契約後に実際に住み始めてみて「こんなはずじゃなかった…」とガッカリしないためにも、間取り図や写真を見ただけで契約せずに、自分の目でしっかりと確認しておきましょう。
1-1.室内のチェックポイント21項目
間取り
家具家電の配置を意識しながら、数字では想像できなかった広さを体感しましょう。間取り図の表記が間違っているケースもあります。
また、持ち込む予定の家具を設置できるかどうか、玄関から設置場所までの通路幅や部屋の幅などをチェック。メジャーを使い測れるところは全て測定しておきましょう。
内装の汚れ、傷
フローリング、クロス、玄関、ドア、窓など、内装部分の汚れや傷を確認。気になる場合は、入居前に修理可能か担当営業マンに質問しましょう。
設備の有無、動作、汚れ、傷
照明やエアコン、コンロ、インターホンなどの設備を確認。どの設備にもいえますが、正常に動くかどうか、破損や傷、汚れがないかを見ましょう。気になる場合は、入居前に修理可能か担当営業マンに相談を。
また、エアコンと照明器具は付属の設備なのかどうかを確認しておきましょう(重要事項説明でも要確認)。もし前の入居者が置いていったものだと、入居後に故障しても貸主が修理してくれないかもしれません。
天井
高さとシミ汚れを確認。天井高があると開放感がありますし、逆に天井が低いと部屋を狭く感じてしまいます。天井にシミがあるかどうかも重要で、もしシミの跡が見られたら、雨漏りしていた可能性があります。
日当たり
基本的に最も日当たりがいいのは南向きの物件であるといわれていますが、そんな物件でもベランダ側に背の高い建物があって一日中室内が真っ暗であるケースも考えられます。窓やベランダから外を見て、日差しを遮る障害物の有無をしっかりチェックしましょう。
カビ、結露
湿気がこもりやすいかどうかを確認。押入れ、クローゼットの奥や、窓の四隅、日差しが入らない北側のスペース、バスルームの中など。マンションの1階角部屋は特に湿気がこもりやすいといわれているので要注意です。
窓からの眺望
外から室内が丸見えにならないか、プライベートを確保できるかどうかを確認。実際に外を覗いてみましょう。日中でもカーテンを開けていられる環境が理想です。
ドア、窓
実際に開閉して建て付けを確認します。気になる場合は、入居前に修理可能か担当営業マンに相談しましょう。併せて窓のサイズと位置をチェック。窓の数と位置で、室内の通気性に違いが出てきます。玄関の奥に部屋がある一般的なワンルームなら、玄関横に窓があると室内の換気に便利です。
水回り
水圧の確認は絶対行うこと! キッチン、洗濯機、浴室の蛇口、シャワー、洗面台、トイレなど。特に日々使うシャワーの勢いはしっかり見ておきましょう。
ブレーカー
一人暮らしでは30Aあれば充分。20Aでは家電フル稼働でブレーカーが落ちる可能性があり要注意です。
携帯・スマホの電波状況
通話、ネットの電波が届いているか絶対確認! 特に電波の届きにくい鉄筋コンクリートのマンションや、半地下の部屋、周囲を大型マンションで囲まれている物件は要注意。部屋の真ん中と四隅、キッチン前、バス・トイレの中、玄関と、室内の全ての場所でチェックしましょう。
コンセント・TV端子
数が足りているかどうか。コンセントとTV端子のある場所によって、家具家電の配置を考える必要が出てきます。
玄関
玄関ドアの建て付け、鍵の種類、下駄箱があれば収納容量を確認します。鍵は防犯性の高いディンプルキーが理想です。
キッチン
蛇口の水圧、コンロの形状、収納スペースの有無と容量、冷蔵庫置き場の位置とスペース、設備の良し悪しをチェック。冷蔵庫置き場の計測はメジャーを使って正確に測りましょう。
バス・トイレ、洗面台
蛇口、シャワー、トイレの水圧、浴槽のサイズ感、洗面台の収納容量、設備の良し悪しなどをチェック。実際に利用しているつもりで浴槽に入ったりトイレに座ってみて、問題がないかどうかを確認しましょう。
洗濯機置き場
すでに持ち運ぶ現物があるのなら、それが置けるかどうかを確認。これから購入予定なら置き場(防水パン)のサイズをメジャーで計測しておきましょう。ドラム式洗濯機はサイズが大きいため、ワンルームにある防水パンでは置けない可能性があります。
収納スペース
十分なスペースがあるかどうかを部屋全体で確認。スペースのサイズを測っておけば、引っ越し前にカラーボックスなどを購入することができます。自炊をやる人はキッチン周り、化粧品の多い女性は洗面台など、細かい収納スペースもしっかりチェックしましょう。
ベランダ・バルコニー
洗濯物を干せるだけのスペースの有無と防犯面の確認を。例えばベランダの向きが北側だと洗濯物が乾きにくかったりします。防犯面では建物外側からどのように見えるのか、侵入できる経路がないかをチェックしましょう。
ちなみにベランダとバルコニーの違いは、屋根があるかないか。屋根があるのがベランダ、屋根がないのがバルコニーです。
ロフト
ある場合は、そこで何ができそうか、高さと広さをチェック。寝室のスペースにできるかどうか、物置として使うかなどを検討しましょう。コンセントの有無も要チェック。
近隣の騒音
外の音がどのくらい聞こえるかを、窓を開けた状態と締めた状態で確認しましょう。また、両隣や上階の住人の生活音がどのくらい聞こえてくるかも確認したいところです。物件の防音性や入居者の性格次第ですが、賃貸物件に暮らしていると隣人の生活音が結構気になり、人によっては大きなストレスになります。
匂い
室内の匂いは実際に行ってみないとわからないことの一つ。直前の入居者が喫煙者だったらタバコの匂いが残っているかもしれません。また、物件の周辺に飲食店や工場があると室内に強い匂いや煙が入ってきたり、洗濯物に匂いがつく恐れがあります。
1-2.建物のチェックポイント7項目
ポスト
鍵の有無。散らかり具合を確認。共有部分の管理が行き届いているかどうかがわかります。
ゴミ置き場
ゴミ置き場の場所、散らかっていないか、収集日以外にゴミが捨てられていないかを確認。共有部分の管理が行き届いているかどうか、住人にルールを守れない人がいるかどうかもわかります。
駐輪場
利用する場合は場所を確認。屋根付きかどうかも。
セキュリティ環境
防犯カメラやオートロックの有無。オートロックなのに簡単に外部から侵入できる物件もあるので、泥棒の気持ちになって防犯面の確認をしましょう。低層階の部屋の場合は特に気にしておきたいですね。
エレベーター
エレベーター内に防犯カメラが設置されているかどうかを確認。
宅配ボックス
有無を確認。再配達の手配をしなくていいので、あると超便利です!
建物前の道路
引っ越しの見積時に訊ねられる可能性があるので、道幅や片道一車線かどうか、停車スペースの有無などを確認しておきましょう。建物の入口から部屋までの動線も確認しておくと完璧。
1-3.立地のチェックポイント4項目
駅までの距離
実際に歩いてみて徒歩◯分になるかを確認。大抵、物件資料に記載されている分数よりも多めにかかります。
ちなみに賃貸情報サイトでは、徒歩1分=80メートルで換算していることが多いです。
街の治安
特に女性は確認しておきたいポイント。昼間は気にならなくても、夜になると交通量が減って、人通りが少なくなることがあります。駅から物件までの人通りや街灯の数を見ておきましょう。
コンビニ、スーパー
コンビニやスーパーが近くにあるかを確認。自炊派ならスーパーの有無は絶対確認しておきたい。コンビニは物件と最寄駅との間に一軒、物件の近所に一軒あると便利です。
最寄駅の商業施設
最寄駅の周辺にどんなお店があるかを確認。自炊が多いなら格安のスーパーや八百屋があると便利ですし、外食が多いなら飲食店や弁当屋が充実していると嬉しいですよね。
ライフスタイルは人それぞれなので、引っ越ししたらどのような暮らしになるかを具体的にイメージした上で確認しましょう。
最寄駅や物件の近くにあると便利な施設としては、
- 銀行、郵便局
- 市区役所
- 図書館
- 病院
- 本屋
- ドラッグストア
- 100円ショップ
- レンタルDVDショップ
- 公園
- 交番
などがあります。
これらはネットやGoogleマップでも調べることがでます。
2.内見時に用意しておくべき持ち物8つ
間違いのない部屋探しをしたいのであれば、下記の持ち物は事前に用意しておきましょう。不動産会社の営業マンも色々と用意してくれますが相手も人間です、忘れてしまうことだってあり得ます。
2-1.内見チェックリスト
この記事でダウンロードできるチェックリストを持参しましょう。項目ごとにチェックするポイントが書いてありますので、そちらを参考に物件の隅々まで確認してください。