引っ越しに関する悩みの一つに「引っ越しの挨拶問題」があります。自分のケースはした方がよいのだろうか? それともしなくても平気? 引っ越しは滅多にないイベントですから、何が正解なのか分からない方も少なくないと思います。
そこで、この記事では引っ越しするときにあなたが挨拶をした方がいいのかどうか、その答えを提示します。
した方がいい場合もご安心を。挨拶する相手や挨拶の文言、挨拶品の相場などを読み進めていけば、挨拶回りで困ることは無くなっているでしょう。
1.結論|ファミリー世帯はする、一人暮らしはしない
引っ越し蕎麦を持ってご挨拶は一昔前の話。今はファミリー世帯か一人暮らしか、世帯構成でで挨拶するしないは変わります。これは近所との付き合いを重視するか、防犯・プライバシーを重視するかの問題でもあります。
最近の傾向は、住宅情報サイトSUUMOの記事「SUUMO調べ、引越しをしたときご近所にあいさつしますか?「はい」70%」や、「賃貸での挨拶(一人暮らし) | ガールズちゃんねる – Girls Channel-」などを読んでみると、引っ越ししたときの挨拶回りについて、皆さんがどのように考えているかがわかります。
1-1.した方がよいケース
マイホームを購入した場合や、賃貸でもファミリー世帯向けの物件であれば、挨拶はした方がよいでしょう。挨拶回りをした方がよい理由としては、
- 自己紹介のため
- 近隣の住人がどんな方か分かるため
- ご近所付き合いを円滑にするため
- 何か困ったときに助け合うため(防犯・災害など)
- 起こり得るかもしれないトラブルを未然に防ぐため
などがあります。特にマイホームを購入した場合ですと、ご近所さんとの付き合いが長くなりますし、マナーがわかっている人と最初にアピールしておくためにも挨拶回りは必須でしょう。
また、小さな子供がいる、吠える犬を飼っている、夜中に帰宅することが多いなど、生活音などで近隣の住民に不快な思いをさせてしまう可能性がある場合も、トラブルをできるだけ回避するために挨拶しておいた方がよいでしょう。
1-2.しなくても構わないケース
地域差はあるかもしれませんが、東京の賃貸物件の一人暮らしなら、隣人への引っ越しの挨拶は不要です。するとしたら、近くに住んでいる大家さんだけで十分です。
特に一人暮らしの女性は、物騒な事件が多いですし、無理に挨拶をして「一人暮らしの女性の存在」をアピールする必要はありません。一人暮らしの経験者なら分かると思いますが、隣に引っ越してきた人から挨拶がないからといって、不快な気持ちになる人は滅多にいません。
また、一人暮らしをしている人の中には、防犯のために予期せぬ訪問者にはすべて居留守を使う人が少なからずいます(悲しい話ですが、引っ越しの挨拶にきたと語ってドアを開けさせる訪問販売や、新聞・宗教などの勧誘もいるんですね)。このことも、一人暮らしで引っ越しの挨拶が不要である理由です。
1-3.悩んでいるなら不動産屋に相談しよう
まだ悩んでいるなら、契約した不動産屋へ相談してみるのも一つの手です。「契約した物件ではどう?」「この地域ではどう?」「大家さんに挨拶した方がよい?」「みんなやってる?」など、尋ねてみるとよいでしょう。
一人暮らしで隣人に挨拶した方がよいか迷っている方も、一度訪ねてみてください。不動産屋はきっと「する必要ないですよ」というはずです。
2.どこまで挨拶をするか問題
挨拶回りすることを決めたら、次は基本的なマナーをおさらいしておきましょう。
2-1.旧居と新居どちらも行う
引っ越しの挨拶は旧居と新居で行います。旧居ではお世話になった方々へ、新居ではご近所へご挨拶をしましょう。
2-2.挨拶回りの範囲は戸建てか集合住宅かで異なる
一般的な話になりますが、一戸建てかマンションや団地などの集合住宅かで、挨拶に伺う範囲は変わります。
一戸建ての場合は、向かい3軒と両隣、敷地に面した裏の家へ。
マンションなどの集合住宅の場合は、両隣と真上と真下の上下2軒(生活音が届く範囲とお考えください)です。
また貸主さんや管理人さん、さらに町内会(自治会)があるなら会長さんにもご挨拶をした方が無難です。
2-3.挨拶に伺うタイミング
旧居で挨拶をするときは、引っ越し当日だと不在のときに困りますし、搬出作業で慌ただしくなりますので、引っ越し前に余裕を持って、遅くても前日までには挨拶に伺いましょう。また特に親しかったご近所さんにいきなり引っ越しすることを伝えるのは失礼ですから、早めに済ませておいた方がよいでしょう。
また、新居先では引っ越し当日がベストですが、それが無理なら翌日、遅くとも一週間以内に済ませましょう。早ければ早いに越したことはありません(遅くなると益々腰が重くなっちゃいますよ!)。
時間帯は昼間から夕方にかけてが無難です。引っ越し当日にバタバタしてしまって時間が取れなかった場合は、当日夜間に無理して伺う必要はなく、日を改めましょう。引っ越し当日に挨拶がなかったからといって無礼に当たるわけではないのでご心配なく。
先方の留守が続いている場合は、挨拶状とあわせて品物をドアノブにかけてくるのがよいともいわれていますが、あまりオススメできません(自宅のドアに謎の物体が引っかかっていたら怖くないですか?)。留守がちのお宅へは郵便ポストに入れておくとよいでしょう。
ちなみに、一人暮らしのケースでは防犯として突然の訪問者に対して居留守を使っていることもあるようです。そんなときは無理に直接挨拶をしなくても問題ありません。
2-4.挨拶するときは家族全員で
家族の自己紹介になるので、できるだけ家族全員で伺うのが理想です。もし誰かが欠けていてもわざわざ繰り返す必要はありません。挨拶に訪れたという事実が1回あれば十分です。
2-5.挨拶文句は当たり障りのないものでOK
旧居では、「今までお世話になりました。◯◯(日時)に引っ越すことになりました。作業中はご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします」といった内容でご挨拶を。
新居先では、「隣の(下の階の)◯◯◯号室に越してきました◯◯(名前)といいます。」といった内容で十分です。さらに「小さな子供がいて足音や泣き声で、ご迷惑をおかけしてしまうときがあるかもしれません」などと、迷惑をかけそうなことをあらかじめ伝えておくと、生活音に対する受け手の印象も変わってきます。
3.挨拶の品物はどうしたらいいの問題
挨拶をする場合は、手ぶらではなく何かしら品物(ギフト、粗品)を用意しましょう。
3-1.品物の相場は500円〜1000円程度
旧居での挨拶も、新居先での挨拶も、相場は500円〜1000円程度といわれています。もらう相手が気を使わない程度にしておきましょう。また、借主、管理人、自治会長に対しては1,000円~2,000円程度が相場といわれています。
3-2.日用品・消耗品が無難
日用品消耗品など無難なもので十分です。何を渡せばいいのか迷いがちですが、極端な話どんなに無難なもの(たとえばタオルや洗剤など)を持参しても、こだわり(今治タオルしか使わない、タオルは無印良品で統一している、洗剤は液体のみ)がある相手なら喜ばれることはありません。
あくまでも「ご挨拶に伺う」ことが大切なことなので、あまり渡す品物に思い悩む必要はないでしょう。
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