大学入学や卒業をきっかけに一人暮らしをスタートする人は多いと思います。
親元を離れて一人暮らしを検討しはじめると、「あのエリアの家賃の相場ってどのくらい?」「家賃は収入の何割におさえるべき?」「一人暮らししている人たちの家賃の平均は?」などなど、家賃に関する疑問がいくらでも出てきますよね。
この記事では各地域の一人暮らしの家賃相場や、一人暮らしをするときの家賃の設定方法、さらには家賃を抑えるテクニックなどを取り上げていきます!
1.一人暮らしの家賃相場
1-1.大手の賃貸情報サイトを活用しよう
一人暮らしの家賃相場を知る最も素早く、正確な情報を入手する方法は、大手の賃貸情報サイトを参考にするのがいいでしょう。
家賃の相場は各エリアにある賃貸物件の家賃の平均値(もしくは中央値)なので、扱う賃貸物件数の多さによって、相場の精度は高まってきます。 大手サイトをおすすめするのは、扱っている物件数が多いので正確な家賃相場を調べることができるからです。その他にも…
- 全国の物件を扱っているから多くの地域の家賃相場を確認できる
- 更新頻度が多いので、最新の家賃相場を確認できる
- 条件を絞り込む機能が充実しているから、希望物件・地域の家賃相場を確認できる
- 家賃相場を確認したエリアの物件情報をワンクリックでチェックできる
などの理由が挙げられます。
1-2.地域別の一人暮らし家賃相場|やっぱり東京は高い!
それでは気になる一人暮らしの家賃相場をチェックしてみましょう。ここでは、不動産・住宅情報サイト「HOME’S/ホームズ」を使って、全国の主要地域を調べてみます。 こちらのデータを見ると、東京都の家賃の高さが際立っていることがわかりますね。
《調査内容》
・ワンルーム・1R・1DK(一人暮らし用)
・マンション・アパート・一戸建て
・駅徒歩10分以内
・2015年9月18日更新情報
1-2-1.東京都|平均6.83万円(49市区)
上位3つ
港区:11.91万円
千代田区:11.47万円
中央区:10.45万円
平均3つ
三鷹市:7.12万円
板橋区:6.96万円
練馬区:6.72万円
下位3つ
青梅市:4.80万円
武蔵村山市:4.80万円
あきる野市:4.51万円
人気の市区町村3つ
新宿区:8.96万円
中野区:7.60万円
渋谷区:10.06万円
1-2-2.北海道札幌市|平均3.66万円(18区)
上位3つ
札幌市中央区:4.13万円
札幌市手稲区:4.06万円
札幌市西区:3.92万円
人気の市区町村3つ
札幌市中央区:4.13万円
札幌市白石区:3.32万円
札幌市豊平区:3.53万円
1-2-3.神奈川県横浜市|平均6.12万円(18区)
上位3つ
横浜市中区:7.68万円
横浜市都筑区:7.46万円
横浜市西区:7.16万円
人気の市区町村3つ
横浜市神奈川区:6.38万円
横浜市青葉区:6.41万円
横浜市港北区:6.43万円
1-2-4.愛知県名古屋市|平均5.08万円(16区)
上位3つ
名古屋市東区:6.42万円
名古屋市中区:6.14万円
名古屋市中村区:5.65万円
人気の市区町村3つ
名古屋市中区:6.14万円
名古屋市昭和区:4.86万円
名古屋市東区:6.42万円
1-2-5.大阪府大阪市|平均5.15万円(24区)
上位3つ
大阪市西区:6.51万円
大阪市中央区:6.48万円
大阪市北区:6.39万円
人気の市区町村3つ
大阪市浪速区:5.88万円
大阪市中央区:6.48万円
大阪市北区:6.39万円
1-2-6.福岡県福岡市|平均4.16万円(7区)
上位3つ
福岡市中央区:4.90万円
福岡市博多区:4.73万円
福岡市早良区:4.17万円
人気の市区町村3つ
福岡市中央区:4.90万円
福岡市博多区:4.73万円
福岡市城南区:3.49万円
1-3.相場は「平均」であることをお忘れなく
東京都を例に見てみましょう。49市区の平均家賃では6.83万円ですが、平均家賃の1位と最下位では7.4万円も違ってくるように、例えば新宿区の家賃相場を見て「高いなあ」と思っても、希望条件のハードルを下げていけば予算内で新宿区で暮らすことは十分可能です。
家賃相場は部屋探しのヒントになりますが、それよりも自分が住みたいエリアと物件に対する希望条件の優先順位をつけておくことが大切です。
《家賃が変動する条件》
- 築年数
- 建物構造(マンション・アパート、階数)
- 広さ、間取り、設備
- 駅からの距離
- 近隣施設、治安 ・入居時期(春先が最も高い)
2.家賃相場を知るのに便利な賃貸情報サイトTOP3
ここでは大手の賃貸情報サイトの家賃相場をそれぞれ調べてみて、使い勝手がよかったTOP3をランキング形式でご紹介します。これらのサイトは部屋探しの強い味方になってくれることでしょう。
1位:HOME’S
使い勝手が最も優れていたのが、賃貸物件数もずば抜けて多いHOME’S(ホームズ)の家賃相場情報。サイトのトップページにある家賃相場のページへのリンクが若干見つかりづらいものの、見やすさと操作性で大満足だし、物件数の多さによる信頼度も◎。他のサイトと同じように、探したいエリアをくりっくしたあとに「家賃相場から探す」項目があったら言うことなし!
2位:SUUMO
テレビCMでおなじみのSUUMO。このサイトのトップページから全国の家賃相場を確認するには、賃貸のページへ行き探したいエリアをクリックして「家賃相場から探す」を選択すると、都道府県から市区町村もしくは路線・駅ごとの家賃相場のページに。 見やすさ、操作性は満足できるが、同一ページで物件の希望条件の絞り込みができないのが残念です。
3位:CHINTAI
目的(一人暮らしの家賃相場を調べること)に対して、サイト内で迷子になることがなく、使い勝手がとてもよい印象。他サイトより優れていると感じたのは、絞り込み条件の豊富さ。家賃相場の絞り込みは同一ページ内でできるので、希望のエリアで希望の物件条件を満たせるかどうかもすぐに分かります。
3.一人暮らしの家賃は収入の30%を目安に
一人暮らしをするときの家賃の目安は、昔から「収入の3分の1まで」というのが通説です。この範囲を越さなければ、その他の支出(食費、水道光熱費、通信費、交際費など)で無茶苦茶な節約をしなくてすむといわれています。
とはいえ、家賃をいくらに設定するかは、結局のところ人それぞれの問題でもあります。 将来に備えて多めに貯蓄をしていきたい、資産にならない賃貸物件にお金をかけるのがもったいないと思うのであれば、もっと低めに設定してみてもよいでしょう。
逆に住み心地を重視するのであれば、その他の支出を抑えて家賃を高めに設定してもいいでしょう。
4.一人暮らしの家賃を抑える5つのヒント
「極限まで家賃を抑えたい!」という切実な気持ちを叶えるための裏技・ヒント・心構えを伝授いたします。
4-1.贅沢をいわない
「吉祥寺じゃなきゃ絶対イヤあぁ!」「住むなら絶対に目黒ッ!」などと住みたいエリアがハッキリしているものの、そこのエリアの家賃相場が高すぎて困る…。けれど、どうしても諦められない…。そんな場合は、物件のハードルを思いっきり下げてみてはいかがでしょうか。
どんな街にも駅から遠い、古い、狭い、壁が薄い、日当たりが悪いなどといった、家賃を低く設定しないと入居者が決まらない物件は多かれ少なかれあります。当然平均的な物件よりも住み心地は悪くなるでしょうが、あなたの希望を叶えることはできるはずです。
4-2.家賃交渉する
値引き文化のない人には実践しづらいかもしれませんが、交渉次第で家賃を抑えることができます。ちなみに筆者は過去の賃貸物件契約で家賃交渉に成功したことが2回あります(新規契約時と更新時に1回ずつ成功)。引越しの繁忙期(3月、4月)以外なら、意外といけます。人気がなくて、一人暮らし向けの物件の多いエリアだったらなおさらです。
コツは引越しシーズンの閑散期に部屋探しをして、「◯◯◯◯円安くなったら契約します」と最後の詰めの段階で交渉することです。また、その街、その物件レベルの家賃の相場感はあらかじめ掴んでおき、相場から大幅にはみ出した無茶な要求はしないようにしましょう。
大家さんの気持ちをちょっとイメージしてみたら分かりますが、空き部屋はできるだけ埋めておきたいと思うもの。交渉のテーブルについてくれる大家さんは少なくありません。
4-3.引越しのピークを避ける
新大学生の入学、新社会人の就職、転勤シーズンが重なる3月4月(9月も転勤シーズン)は引越しのピーク。賃貸物件の家賃はこの期間が最高値であると考えてよいでしょう。 もし、引越し時期を選べるのであれば、3月4月を避けて物件探しをした方が相場よりも安い家賃で契約できるかもしれません。
4-4.学生街を狙う
大学がある付近には大学生向けの家賃控えめな一人暮らし用の物件が豊富にあります。また、学生街は家賃だけでなく、激安飲食店がたくさんあったりと物価が安い傾向にあります。
隣近所の騒音トラブルに悩まされるリスクは上がるものの、特別住みたいエリアがあるわけではなく、家賃を抑えて一人暮らしをスタートしたいというのであれば、学生街を狙ってみるのも一つの手です。
4-5.UR賃貸住宅
UR都市機構の賃貸住宅(UR賃貸住宅)には、一人暮らし用の物件もあります。民間の賃貸住宅と比べて家賃に大きな違いはないものの、礼金・更新料・仲介手数料・保証人が不要という大きなメリットがあり、初期費用を大幅に減らすせます。
ちなみに収入源のない学生向けのUR賃貸住宅もあります。
UR賃貸住宅 エリア別ホームページ
北海道・東北エリア
関東エリア
中部エリア
関西エリア
中国・四国エリア
九州エリア
5.まとめ
一人暮らしの家賃に関する疑問は解消されましたか? まずは家賃の支払い限度額をご自身の収入から割り出し、次に希望条件(住みたいエリアや間取り)の優先順位を決めておきましょう。それらをハッキリさせておけば、部屋探しはスムーズに進められるはずです。 お部屋探し、がんばってください!