一人暮らしをしている人は、月にどれくらいの生活費を使っているのだろうかとお調べではありませんか?
大っぴらに聞くことのはばかられるみんなのお財布事情が分かれば、それを参考に自分の生活を計画することや、見直すこともできますよね。
この記事では、東京で一人暮らしする人の生活費のモデルケースや、生活費を節約する方法についてみていきます。
目次
1.一人暮らしの生活費は約16万円かかる
平成26年家計調査結果によると、一人暮らし世帯(全世代)が生活費として月間で支出している金額は、162,002円とのこと。
もっとも若い世代である34歳以下というくくりでみると、男性が164,700円、女性が167,252円というデータです。すなわち、約16万円という数値が、1つの目安だといえます。
ちなみに、ここでいう生活費とは「食料、住居、光熱・水道、家具・家事用品、被服及び履物、保健医療、交通・通信、教育、教養娯楽、その他(交際費や美容など)」の消費支出を総合したものです。
【補足】大学生の生活費
上記の家計調査とは別に、大学生の生活を調査した学生生活調査結果というものがあります。
ただし、こちらの調査では生活費を「食費、住居・光熱費、保健衛生費、娯楽・し好品、その他の日常費」といったくくりで計算しているため、前出の家計調査と単純比較できるものではないということに注意してください。
これによると、大学昼間部の学生は、月に69,200円(学寮の場合)、91,200円(一般賃貸の場合)の生活費をかけていることがわかります。
なお、詳細は「大学生一人暮らしの実態|データで見る住まいと生活費用」で紹介しています。
出典:平成24年度 学生生活費の内訳(独立行政法人 日本学生支援機構 (JASSO))
2.東京での一人暮らしに必要な生活費のモデルケース
あなたの生活にかかる費用は何でしょうか? ここでは、家計調査が生活費として設定している科目に合わせて(単身世帯なので教育費は除く)、4名のモデルケースをみていきます。
男子大学生Aさん、女子短大生Bさん、男性社会人Cさん、女性社会人Dさんがモデルとなります。
<一人暮らしの生活費・モデルケース>
食料 |
20,000 |
大学生平均の約2万円でやりくり |
住居 |
48,000 |
アパート |
光熱・水道 |
6,000 |
節約をこころがけ |
家具・家事用品 |
2,000 |
あまりこだわりはない |
被服および履物 |
7,000 |
古着やセールを活用 |
保険医療 |
1,000 |
体が丈夫であまり病院にかからない |
交通・通信 |
7,000 |
自転車通学。スマホのみ |
教養娯楽 |
1,000 |
書籍など |
その他 |
15,000 |
サークルの飲み会や交友費 |
生活費合計 |
107,000 |
|
食料 |
17,000 |
自炊で節約したやりくり |
住居 |
58,000 |
女子学生専用マンション |
光熱・水道 |
9,000 |
効率的に節約できず |
家具・家事用品 |
3,500 |
趣味の料理関連に出費 |
被服および履物 |
18,000 |
セールを活用 |
保険医療 |
2,500 |
病院利用がたまにある |
交通・通信 |
3,000 |
交通費のみ。スマホは家族持ち |
教養娯楽 |
2,000 |
ファッション誌など |
その他 |
18,000 |
友だち付き合いや美容関係など |
生活費合計 |
131,500 |
|
食料 |
40,000 |
自炊はするものの、外食が多め |
住居 |
62,000 |
アパート |
光熱・水道 |
6,000 |
残業が多く家にいる時間が少なめ |
家具・家事用品 |
1,000 |
物は少ない |
被服および履物 |
5,000 |
安価なもので揃える |
保険医療 |
4,000 |
虫歯治療に通院中 |
交通・通信 |
20,000 |
定期代と、スマホと自宅インターネット代 |
教養娯楽 |
1,000 |
文庫本など |
その他 |
20,000 |
飲み会が多め |
生活費合計 |
159,000 |
|
食料 |
30,000 |
基本的には自炊、ときおり外食 |
住居 |
70,000 |
ワンルームマンション |
光熱・水道 |
7,000 |
平均的な使用 |
家具・家事用品 |
2,000 |
部屋が狭く、物は少ない方 |
被服および履物 |
15,000 |
ファストファッションでやりくり |
保険医療 |
5,000 |
医薬品や通院に |
交通・通信 |
12,000 |
定期代と、スマホ代 |
教養娯楽 |
1,500 |
ファッション誌など |
その他 |
30,000 |
飲み会や美容関係など |
生活費合計 |
172,500 |
|
3.各種生活費を節約する方法
先ほど挙げたモデルケースの科目に対して、どんな節約方法があるのでしょうか。節約の適性を5段階で表し、その節約方法を紹介します。
なお、「一人暮らしの超節約術|通信費・光熱費・食費から手をつける!」では、この記事とはまた別の角度からみた諸費用の節約方法を紹介していますので、そちらもご参考ください。
3-1.<食料>節約適性:★★★★★
食費を抑えようというなら、とにかく自炊することがカギとなります。外食やコンビニご飯は高くついてしまい、利用頻度が多いと、簡単に食費の平均値を上回ってしまいます。完全に自炊しないまでも、ご飯を炊いてスーパーの半額総菜をおかずにするという方法でも、節約は可能です。
3-2.<住居>節約適性:★
大家さんと家賃を交渉する唯一のチャンスは、2年ごとに訪れる契約更新時期しかありません。一度住み始めた物件の家賃を今すぐ節約するのは難しいでしょう。
もし、もうすぐ契約更新時期を迎えるのであれば、思い切って家賃交渉をしてみるのも手です。成功率を高める方法は「家賃交渉はしなきゃ損!成功に導く13の下準備と交渉術 」に詳しくあります。
引越し費用を加味してもなお安くできるというのであれば、引越しするものありです。1ヵ月で2万円以上の違いが生まれるかどうかが、検討のボーダーラインになるといえます。
3-3.<光熱・水道>節約適性:★★★★★
電気料金は、契約アンペアを20Aに変更することで基本料金を抑えられます。
また水道料金は、元栓を閉めて水量を抑えたり、トイレシンクやシャワーヘッドの節水グッズを用いることで、節約が可能です。
ガス料金は、お風呂の使用具合(シャワー、お湯張り、追い炊き)によって大きく変わるので、節約を心がけるべきだといえます。
3-4.<家具・家事用品>節約適性:★★
家具や家事用品は、部屋やキッチンのスペースと相談することになります。ある一定以上は増やせないので、必要な物がそろっている場合は、削りづらいコストだといえるでしょう。
3-5.<被服および履物>節約適性:★★★
洋服や履物は、セールを利用することで節約することができます。デパートのセール、ネットショップのセールなど、安売りのタイミングは多くあります。メンバーズカードのポイント利用なども節約に有効です。
3-6.<保険医療>節約適性:★★
健康管理に気をつけて、風邪や体調不良による診察費用や医薬品の購入費用を節約できます。風邪を引かないためにも、うがい手洗いを心がけましょう。
3-7.<交通・通信>節約適性:★★★★★
スマホと自宅インターネット、2つのネット回線を契約している人は、どちらか一方を止めることで節約可能です。
テザリング(スマホで自宅PCをインターネットにつなぐ)や、モバイルルーター(無線でさまざまな端末へインターネットをつなぐ機器)など、インターネット回線を1つにまとめる手段が有効です。
またスマホは料金プランや割引を、最適化するのがポイントとなります。通話はLINEやSkypeといった無料通話アプリを使うのが◎です。
3-8.<教養・娯楽>節約適性:★★
雑誌や書籍は、図書館や古書店を利用したり、ネットで情報収集したりするなど、代替方法はあります。とはいえ全体的な費用が小さいので、なかなか削りづらいともいえるでしょう。
3-9.<その他>節約適性:★★★★
その他とは、交際費や美容関係、たばこ代などを大きくまとめた費用。
飲み会費用は、クーポンを利用したり、安いお店を選んだりすることで節約できます。また二次会など、お酒の勢いで財布の紐をゆるめてしまわぬよう気をつけたいところです。
女性の場合は美容関係の費用がかかりますが、こちらも意識的に節約する必要がありそうです。
4.まとめ
家計調査に準じた生活費の科目を軸にして、その支出のモデルケースや節約方法をみてきました。
一人暮らしを始める前の人ならば、「何にいくらかかるのか?」といったことをしっかり把握しておくことで、計画が立ちやすくなります。
あるいは、すでに一人暮らしをしている人は、約16万円という平均に対して、どれだけ節約が必要か/貯蓄の余裕があるかを知ることができたのではないでしょうか。
限られた生活費でのやりくりが必要ならば、ここで紹介した節約方法を試してみてください。