一人暮らしの部屋を探すときに、独立洗面台を譲れない条件にあげる女性は多いそうです。
毎日ヘアセットやメイクをするとき、洗面台が浴室にあるユニットバスと比べたら、独立洗面台の方がどう考えても便利ですよね。
しかし、ちょっと待ってください。一人暮らし用の物件の場合、独立洗面台のあるなしで家賃相場は大きく変わってくるんです。
この記事では、独立洗面台の有無によってどの程度家賃相場が変わるものなのか、実例をもとに紹介していきます。
あなたは独立洗面台を使うのに、毎月幾らまで支払えますか?
目次
1.一人暮らしの女性に独立洗面台は欠かせない
いえらぶGROUPが実施したアンケート調査(女性に「独立洗面台は女の子の一人暮らしに必要か?」)によると57%の人が独立洗面台は必要であると回答しています。
必要派の意見としては、
- 朝晩の洗顔に欠かせない
- 化粧品など小物を置けるスペースがほしい
- 浴室内にある場合、床が濡れているのがイヤ
といったものがあります。
一方約4割は「あってもなくてもいい」派なわけですが、そんな人たちからは、
- あったほうが便利だけど、なくても不便に思わない
- ヘアセットやメイクは鏡があれば、どこでもできる
- 歯磨きはキッチンの流しで十分
といった声があります。
出典:いえらぶGROUP|【一人暮らしに関する意識調査】住宅の設備条件に関する 5つの項目に関してアンケート調査を実施しました。
また、賃貸経営者や賃貸管理会社向けに発行している全国賃貸住宅新聞の2015年10月26日号に「入居者に人気の設備ランキング2015」という企画があります。
その中に「部屋探しの時に「必要」と考える設備」の単身者向け物件ランキングがあるのですが、こちらのアンケートからも、独立洗面台を求める声の大きさがわかります。
部屋探しの時に「必要」と考える設備(単身者向け物件)
1位 独立洗面台(昨年度2位)
2位 TVモニター付きインターホン
3位 洗浄機能付き便座
4位 エントランスのオートロック
5位 インターネット無料
出典:全国賃貸住宅新聞|入居者に人気の設備ランキング2015(2015年10月26日号掲載)
これらのアンケートからわかる通り、女性にとって独立洗面台は「絶対必要」「あったら嬉しい」存在であることは間違いありません。
しかし、独立洗面台のあるなしで、毎月の家賃が1万円近く変わってくるとしたらどうでしょう? 一人暮らしで毎月1万円の違いは結構大きいですよね。
2.独立洗面台があると家賃は一気に高くなる
築年数、最寄駅徒歩分、平米がほとんど一緒で、独立洗面台がある物件とない物件を比較してみました(いずれも賃貸マンション)。
家賃は色々な要素で構成されているため一概には言えないのですが、独立洗面台の有無で家賃が大きく変わることの例としては十分でしょう。
2-1.【比較ケース①】JR総武線高円寺駅の賃貸マンション 徒歩3〜4分 築7年
物件A(独立洗面台あり)
賃料(管理費):9.9万円(5000円) JR総武線高円寺駅徒歩3分 築年数:7年 専有面積:24.22㎡ 間取り:1K(洋室7.6帖)
物件B(独立洗面台なし)
賃料(管理費):8.2万円(3000円) JR総武線高円寺駅徒歩4分 築年数:7年 専有面積:22.54㎡ 間取り:1K(洋室7.6帖)
こちらの高円寺駅近くにある2つの物件。独立洗面台の有無以外はほとんど同じ条件となっています。洋室の広さも一緒ですが、家賃(管理費含む)は物件Aが11万4000円で物件Bが8万5000円と、差額は2万9000円になります。
これはちょっと極端なケースですが、独立洗面台の有無で家賃が変わっていることがわかりますね。
2-2.【比較ケース②】JR中央線中野駅の賃貸マンション 徒歩4〜5分 新築
物件C(独立洗面台あり)
賃料(管理費):8.9万円(5000円) JR中央線中野駅徒歩4分 築年数:新築 専有面積:21.73㎡ 間取り:ワンルーム(7.6帖)
物件D(独立洗面台なし)
賃料(管理費):8.5万円(3000円) JR中央線中野駅徒歩5分 築年数:新築 専有面積:19.25㎡ 間取り:1K(洋室6.0帖)
こちらは中野駅近くにある2つの物件。先ほどの比較ケースと同様、独立洗面台の有無以外はほとんど同じ条件となっています。間取りに違いがありますが、物件Cの7.6帖はキッチンのスペースも込み。物件Dの洋室6.0帖とキッチンを合わせた広さと、さほど変わらないでしょう。
これらを踏まえた上で家賃(管理費含む)を見てみると、物件Cが9万4000円なのに対して、物件Dは8万8000円。独立洗面台を利用するのに、毎月6000円支払っていることになります。
photo by HOME’S
3.独立洗面台を使うために月々1万円払えますか?
違いが独立洗面台の有無だけで、駅徒歩分、築年数などの条件がほとんど同じ物件だったとしたら、独立洗面台がある物件とない物件の家賃は、毎月5000円〜1万円以上違ってきます。
一人暮らしを始める女性が絶対必要だと思っている独立洗面台ですが、この金額を払ってでも本当に使いたいのか、しっかり検討すべきです。
3点ユニットバス(風呂、トイレ、洗面台が一緒)や2点ユニットバス(風呂、洗面台が一緒)に比べ、独立洗面台を設置するにはある程度のスペースが必要になります。
そのため、独立洗面台を設置するときは、専有面積を広げるか(その分家賃が高くなる)、居住スペースや設備部分(キッチン、収納など)を狭くすることになります。
家賃の予算を決めている場合は、独立洗面台があることの利便性か、居住スペースの広さ、どちらを優先するか考えておきましょう。
4.独立洗面台がないときの工夫5つ
バスルームに洗面台がある2点ユニットバスや、お風呂と洗面台とトイレが一緒になった3点ユニットバスは、独立洗面台と比べて次のようなデメリットがあります。
2点(3点)ユニットバスのデメリット
- 洗面台を使うときに足が濡れる
- 置いてある小物に水滴やカビが付く
- メイク、ヘアセットなどの小道具を置くスペースがない
- コンセントがないのでドライヤーが使えない
朝の忙しい時間帯だと、ちょっと足が濡れただけでも大きなストレスになりますよね。しかし、このようなデメリットもアイデア次第で何とでもなるもの。ここではデメリット解消に一役買うアイデアを紹介します。
4-1.シリコン製のバススリッパとマットを使う
FOOTLIFE bath sandals バスサンダル M(22.5-24.5cm) white F3222 WH-M
SUSU バスマット 速乾 抗菌 ライトベージュ 50x80cm
バスルームの中にバススリッパ、バスルームの前にマットを置いておくことで、洗面台を使うときに足が濡れるのを防げます。
ここで紹介しているFOOTLIFEのバスサンダルはかかと部分にフック形状になっているので、バスルーム内のタオル掛けにそのまま掛けておくことができます。ちょっと濡れたとしても、バスルームを出たところに置いたマットで足を拭けばOK。
4-2.一日中換気する
バスルーム内に置いてある小物に水滴が付いてしまう問題は、一日中換気をしておくことで解決できます。
4-3.歯磨きはキッチンで済ます
朝晩の歯磨きをするときに足が濡れるのを何とかしたいのであれば、歯磨きをキッチンのシンクでやるというのも一つの手です。最初は違和感があるかもしれませんが、しばらく続けていたら何の問題もないことに気づくでしょう。
4-4.場所を取らない収納アイテムを使う
【真空吸着でズレ落ちない】 強力 吸盤 お風呂用 ラック トレイ ホルダー バス用品 水切り 洗面所 お風呂 壁 ガラス タイル
2点(3点)ユニットバスの中には小物を置けるスペースが限られているので、壁面を有効活用しましょう。シャワーラックや、壁に貼り付けられる吸盤タイプのラックが便利です。
4-5.鏡があればメイク、ヘアセットはどこでもできる
洗顔はさておき、鏡さえあればヘアセットやメイクは室内でもできます。ドライヤーで髪を乾かすのもしかり。先述のアンケートの回答によれば、室内で行っていてもそれほど困ることはないようです。
毎日使いまわせるよう、鏡(姿見もあるといいですね)、化粧品、スタイリング剤、ドライヤーをコンパクトに収納しておきましょう。
5.まとめ
居住空間が狭くても独立洗面台を手に入れるか、それとも居住空間の広さを優先するかーー。
最後まで読んでみて「それでも独立洗面台は絶対必要!」と改めて思う方もいれば、「家賃を下げたいから、広い部屋がいいから、独立洗面台はいらない」と条件を見直す方もいることでしょう。
部屋探しを始める上で絶対に行ってほしいのが、希望条件の優先順位をはっきりさせておくことです。これを決めてさえいれば、迷いがすくなくなって最短で物件を絞り込めますし、契約したあとに「こんなはずでは…」と後悔することもなくなります。
こちら「現役不動産屋に聞いた部屋探し9つのコツで最速部屋決め!」の記事では、初めての人でも部屋探しをスムーズに行うためのコツを取り上げていますので、併せてご覧ください。